美術展

2011年4月13日 (水)

シュルレアリスム展に行ってきた

 国立新美術館で開催中のシュルレアリスム展を見に行ってきた。
 シュルレアリスムはあんまり日本人には人気無い? 混んでなかったので、椅子に腰かけてプログラムをたまにちらちら読んだりしながらのんびりと見て回れた。

 マグリット、ダリ、キリコ、ミロといった人達の絵を見たくて出かけたのだけど、最も惹かれた絵は彼らの絵よりも別の絵だった。しかし、それらの絵は絵ハガキ等では販売されてはいなかったのであった^^;


マリー・トワイヤン「早春」

 タイトルは光を感じさせるようなものに思えるのに、それとは異質の空間がひろがっている。
 暗い暗い群青の空の下に、ずっと地の果てまでも続いているような・・・・これは多分墓地? 沢山の沢山の直方体の、墓らしき石。
 そして墓の上には、白と青の蝶・・・・・蛾?そこにでだけ光がさしているような様。蝶という形の小さな生の動きがかえって、絵全体の死のにおいを際立たせる。

マックス・エルンスト「最後の森」

 青い色の中に埋め尽くされた森の中に、人や動物が飲みこまれているように見える。

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2011年1月27日 (木)

「モネとジヴェルニーの画家たち」を見てきた

 昨日、渋谷のBnkamuraザ・ミュージアムに「モネとジヴェルニーの画家たち」展を見に行ってきた。

 ジヴェルニーの村を訪れたモネ・マニアの画家達というのがこんなに大勢いたなんて知らなかった。
 そして、もっともマニアっぷりを発揮していたのが、ジョン・レスリー・ブレックという画家による、積みわらの連作。

 昔、モネの積みわらの連作を見た時の感動を思い出す。
 モネってなんて幸せな時間の過ごし方が出来る人なんだろう、と。

 同じ構図で積みわらを何作も描き続ける。
 ただ、描かれる時間は微妙に異なる。
 少し光の角度が異なるだけで、つくりだされる光と影は全く異なってくるし、光と影の相違がうみだす光景も全く異なってくる。
 それをわくわくと見つめ続けるモネの姿にとても親近感をおぼえる。
 例えば、夕焼けや朝焼けの空を見つめ続けるわくわくと同じなのよね。わずかな時間の違いで、そこにある色や景色は全く違ったものになる。それを一つ一つ見つめ続ける、その幸せ。

 積みわらでその幸せを追体験するブレックという人のマニアならではの幸福感を想像して思わず微笑んでしまう。

 ジヴェルニーの村の写真、モネの家の写真も沢山展示されている。
 モネが描き続けた光景を、写真で眺め、モネ自身の絵で眺め、モネのマニアの画家達の絵で眺める。モネが愛した光景を様々な形態で追体験する。そんな面白くて贅沢な時間が過ごせる美術展だった。

 ミニ・モネ・マニアの娘は来週一人で見に行く予定。

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2010年12月 8日 (水)

ゴッホ展へ

 国立新美術館で開催中のゴッホ展に足を運んだ。

 混雑に圧倒されそうになったが、頑張る。
 混雑に気持が負けないコツは《全部を一生懸命見ようと思わないこと》だ^^; アバウトでいい加減な鑑賞者のワタシ。
 素人だもん。好きで見に行っているんであって、引力を持つ絵の前で異空間精神旅行に入り込みたいんであって、お勉強しにいってるわけじゃないもん。だから、ぱっと目にした時に引力を感じたものだけをがっちり見ればいいや、とか思ってる。
 美術展って結構、入口付近が一番混んでるけれど入口付近よりも後半付近の方が素人目には引力を感じさせられるものが多かったりするから・・・・・人の少ない空間を速足で歩きながら引力を感じたものの所では石のごときかたまりとなって絵の前を陣取って立ちつくし・・・・・・出口にたどりついたら、入口に向かって逆行。二往復三往復。場合によっては四往復五往復六往復。これやってると、自分のセンサーにひっかかった物を見る時間が多くなる。センサーにひっかからない絵ってのはあって当然なものなわけだし、そこで体力を消耗しないように気をつける。

 では感想。
 今回の展覧会は、作品展示にあたってただの年代順ではなく、初期作品紹介の中でも後期作品をまじえて作風の一貫性を示す等、凝った面白い構成になっていたので、その構成に沿って順番に。

第I章 伝統 ファン・ゴッホに対する最初期の影響
第II章 若き芸術家の誕生

 模写で独学で学んでいた時代の様々な作品と、学ばれる対象となった様々な芸術家作品。沢山の素描、版画。と、あっさり書き流すことで、このあたりのコーナーは流して見ていたことがばれるな・・・・。


第III章 色彩理論と人体の研究、ニューネン
 素描を優先しつつも、色彩、そして人体を描くことへの関心を大いに深めていった頃の様々な作品。

 鉛筆、ペン、筆と茶色のインクで描かれたという「沼沢地の松の木」に惹かれる。川辺の松と空。左側に複数本の松。右側に一本。どこか日本画のような雰囲気。


第IV章 パリのモダニズム
 新世代の画家と交流し、日本の浮世絵にも影響を受けていた頃。
 ピサロ、モネ、シスレー、スーラ、シニャック、ロートレックの絵も一緒に並べられている。

 このコーナーで好きなのは「ヒバリの飛び立つ麦畑」。カンヴァスに描かれた油彩。
 上下に三層。空。麦畑の麦。そして下草。タイトルにあるヒバリは、タイトルがあるからこそ意識するような印象度で、あくまでも主役は麦畑と草と空だな。風の音、風でざわめく麦の穂の音が聞こえてくるような情景。


第V章 真のモダンアーティストの誕生、アルル

 アルルの寝室の再現や、黄色い家の立体CGが面白い。展示者の強い思い入れがとても大きく感じられるコーナー。
 共に暮らしてたゴーギャンの絵や、ゴッホが所蔵していた歌川広重などの浮世絵も並べられている。

 このコーナーで好きだった絵は「緑の葡萄畑」。下部三分の二が葡萄畑。上部に空。ゴッホならではの青で描かれる空。


第VI章 さらなる探究と様式の展開 サン=レミとオーヴェール=シュル=オワーズ

 最晩年。ゴーギャンとの共同生活が破綻した後の、狂える日々の中で描き続けた作品いろいろ。
 あふれる光と色彩感に圧倒されそうになる「サン・レミの療養院の庭」。
 見る側の気持を不安定な何かに駆り立てる、奇妙な鮮やかさ。

 青とグレーの間のような色の濃淡がメインになって描きだされる「渓谷の小道」。
 直線が少なく、川の流れも崖の土や草も、細かな曲線曲線曲線曲線曲線。
 ずっと見ていたら、後ろを通った若いカップルの二人が
「じっと見ていると、ぐらぐらとしたような感じになる絵だね」
と言ってた(^^)同感だわ・・・・・・見ているこちらを硬直させるのに、気持がこの奇妙な色合いの曲線世界の中に入り込んだ時に、世界がひっくり返りそうな不安定感を感じさせる・・・・・。

 そして、「アイリス」。
 鉢からこぼれるほどの量と勢いで咲き乱れるアイリス。背景が黄色。見る側の心を不安定な何かに駆り立てる、奇妙な黄色。


(おまけ)
 ゴッホ展には行かないと言ってた娘は、
「モネとシスレーの風景画が二つずつあったよ!」
と言ったら、あっさり行く気になった(笑)中学生は無料なのが羨ましいなあ。

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2010年9月18日 (土)

アントワープ王立美術館コレクション展を見てきた

 東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「アントワープ王立美術館コレクション展」を見に行った。

 《フランスとドイツの影響を受けつつ独自の発展を遂げていったベルギー近代美術の流れを展観できる展覧会》とのこと。

 土曜昼なのに、とてもとても空いていて一つ一つの絵をゆったり見られて快適♪

 夕闇の情景を描いたいくつかの絵に惹かれる。

 レオン・スピリアールトの「砂丘の少女たち」。
 詩集の挿絵に使いたくなるような絵。水彩で暗い青と深緑で描かれる海と浜。そこにいる二人の少女と繋がれた犬。

 レオン・スピリアールトの「海辺の女」
 水彩で暗い青色で描かれた暗い海辺と女の後姿。

 ヴァレリウス・デ・サデレールの「フランドルの雪景色」。
 真っ白く積もった雪と木々と家。絵の上部三分の二ほどは闇がせまる空。地平線上に、沈もうとしている太陽。その太陽のすぐ上に闇の空。人の姿はなく、ただただ静けさを感じさせる雪世界。

 ルネ・マグリットの「9月16日」
 去年も見た時に、好きだなあこの絵は、と思った、何度でも見たい絵。
 マグリットの描く絵の、シュールと美しさの同居が好き。

 夕闇以外の絵では、ポール・デルヴォーの「ウェステンデの海」が印象に残る。
 水彩でセピア色の濃淡で描きだされたこの海の絵からは、デルヴォーの油彩の絵にいつも感じる毒々しさをあまり感じない。

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2010年8月 3日 (火)

シャガール展を見てきた

 「シャガール ロシア・アヴァンギャルドとの出会い展」を見に、東京藝術大学美術館へ。

 シャガールの絵は混沌としている。
 構図も混沌としているし、描かれる題材も混沌としている。
 でも、不思議な鮮やかさ。不思議な優しさ。その美しさに見入っているうちに、混沌の中からじわじわと幸福感がやってくる。

 一番好きだった絵は「墓地」。
 青や紫や光線がとびかう不思議な色の空。
 タイトルは墓地だけど、主役は空だ。
 墓地は混沌。墓と墓をつなぐ土の色が不思議な緑。

 シャガールの絵は緑色が印象深い。
 独特の鮮やかさのある緑色。
 「緑色の恋人たち」も。赤のドレスと背景の緑の対比が美しく鮮やか。
 「灰色の恋人たち」に描かれる恋人たちの表情の静かな優しさ。

 「日曜日」。チラシやカタログ表紙にも使われている有名な絵。
 何を描いているのかよくわからないけれど^^; 華やかな黄色と紫の対比、少し沈んだ緑の顔。そうした色合いの美しさに見入っているうちに、じわじわと訪れる幸福感が圧倒的な幸福感にかわってくる。

 「収穫」も色の美しい絵だ。中央に立つ女性の赤と黄の服。その背後の木の青。でも一番視覚的に印象に残るのが、木の背後に見える紅の空と赤いお日様。

 「魔笛」のコーナーでは、舞台芸術家としてのシャガールがひたすら堪能できる。この美術の中で上演される「魔笛」ってどんなふうなんだろう。世界とどんなふうに融合しているんだろう。舞台美術が勝ちすぎたりしないだろうか。贅沢すぎるほどの数の作品の中で、魔笛の脳内上演会を楽しむ。

 見終わった後、グッズコーナーで絵ハガキとチケットケースとカタログを購入。
 「魔笛」のチケットケースは是非買って帰りたかったのだ(笑)
 帝国劇場に「Mozart!」を見に行く時に持参するために♪♪♪

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2010年7月30日 (金)

娘一人、美術展ハシゴ

 我が家の中学生の娘、先月《一人美術展行き》デビューをしました。先月はボストン美術館展。以前、国立新美術館のモネ展を見て以来モネが大大大好きな娘は絶対喜ぶと思い、六本木での最終日に送り出したのでした。

 今日は、オルセー美術館展とトリックアートの世界展のハシゴ。中学生は無料で見られる展覧会二つ。交通費だけ私が出した。

 帰宅してからの第一声。
「ママ、オルセー美術館展、やばいよ、やばすぎるよ。最初が特にやばいの」
「????????」

 よく話を聞いてみると。
 オルセー美術館展は、展示の最初の所で、印象派の絵をずらりと並べている。
 印象派の風景画の色合いを楽しむことが大好きな娘は、それらを立て続けに見ることですさまじい幸福感を味わい、それを《やばい》と表現しているらしい。

「日本語で喋ってよ。相手の年齢と語彙選択傾向を考えて、わかる言葉で喋りなさい!」と、ついつい怒ってしまうじゃないか・・・・・・・。

「モネの『ロンドン国会議事堂』大好きなんだよ。あれがあるってなんで先に教えておいてくれなかったの!?いい絵だよねえ。ピンクとグレーがすごく綺麗で。もう見入っちゃったよ!それからやっぱり、シスレーもいいね。題名忘れたけれど水辺の絵。綺麗だったなあ!!!!!」

はしゃぎ続ける娘。

「お金ないから絵はがきは買ってこなかった。この前、ママにもらった絵ハガキもあるし。ヴァロットンの『ボール』の絵ハガキもママ買ってきてくれたし。あれ前に見た時も好きだったから、また見ること出来て嬉しかったなあ」

 オルセー美術館展のことしか言わないので、トリックアート展のことも聞いてみる。

「面白かったよ。でも、タイトル見る余裕なかった。絵のそばでトリックを楽しんできたーー」

 来月は娘と二人で、オペラシティアートギャラリーで開催中の「アントワープ王立美術館コレクション展」を見に行くつもり。シャガールには興味の無い娘なので、シャガール展の無料券二枚のうち一枚は夫に提供だ。

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2010年7月 1日 (木)

ユトリロ展を見てきた

 最近の美術展って、◎◎美術館展みたいなものが多いけれど、私は一人の画家の絵を最初から最後までじっくり見られるような美術展の方が好き。

 そんなわけで。
 モーリス・ユトリロ展は結構楽しみにしていた美術展でありました。

 損保ジャパン東郷青児美術館に足を運ぶのははじめて。
 美術館入口の手前に展望台ロビーがあるという、贅沢なくつろぎ時間が堪能できる場所。雨や曇りの日よりも晴天の日に出かける方がより楽しめるかも。(逆に言うと、雨の日の方がすいてるかも?まあ晴れでもそんなに混んでなかったけど)

 今まで見たことのあるユトリロの絵って、白い風景画ばかりだったような気がしてたので、結構色鮮やかな絵がいっぱいあって面白かった。でも、緑が色鮮やかでも空の青が印象的でも、何故かその緑や青が引き立て役で建物の白が前面に出てるといったような絵が多い。
 ずらりと並んだユトリロの絵をひたすら見てて気づいたのだけど、ユトリロの風景画って緑の木々が描かれていても風を感じない。青い空が描かれていても風の音や鳥の声を感じない。風景を描いているんだけど、風景そのものではなく、何か不思議なフィルターを通して風景を見ている人が描いた風景なんだなあ。とそんなことを思わせる絵がいっぱいでした。画面に風の音とか人の声を感じない、感じさせない、そんなフィルター。

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2010年6月14日 (月)

美術展ハシゴデー

 三つの美術展を一人でハシゴ。
 見終わってから、こりゃ娘と一緒に来るべきだったと後悔^^;

語りかける風景 コロー、モネ、シスレーからピカソまで ストラスブール美術館所蔵

 渋谷のBunkamura ザ・ミュージアム。

 ストラスブールという地の美術館の所蔵作品であるからか、フランス的な風景画とドイツ的な風景画がまざっている。
 ヨハン・フリードリヒ・ヘルムスドルフという人の風景画を(多分)はじめて見る。「ホバーデンの廃墟」そして「キンツハイム城の眺め」。フリードリヒに似てるなあと思った。フリードリヒに似てる、というよりは、いかにもドイツ画家の風景画といった印象なのかな。バルビゾン派や印象派のフランス絵画は光を描くために影が描きこまれるけれど、ドイツ絵画の風景は、影が前面に出てきていて、光は影を見せるために存在しているという印象のものが多いような。

 アンリ・ルベールの「ヴォージュ地方の狩り」、フィリップ・ジャック・ドルーテルブールの「スランベリス湖水地方」、カルル・ロットマンの「バイエルンの風景」、バンジャマン・ネテールの「ローマ近郊の眺め」といった風景画を堪能。
 アドルフ・キルスタインの「雷雨」。黒い雷雲からの光線が美しい。
 アントワーヌ・シャントイユの「太陽が朝露を飲み干す」。木と水面が見せる光加減が綺麗。
 知らない名前の画家の作品が多かったけれど、好きなタイプの風景画がとても多くて楽しんだ。

オルセー美術館展2010 ポスト印象派」

 国立新美術館。

 ジョルジュ・レメンの「ハイストの浜辺」。夕暮れと夕闇の狭間の時間の浜辺。

 ゴッホの「星降る夜」。この美術展の一番人気であるようでものすごい人だかりだけど、確かにそれだけの引力を持つ絵。ゴッホならではの不思議な青で描かれる夜。

 モーリス・ドニの「テラスの陽光」。毒々しさを感じさせるようなオレンジ色。「木々の中の行列(緑の木立)」。シンプルなライン。緑と白。そのシンプルさが何か怖さを感じさせる。

 フェリックス・ヴァロットンの「ボール」。可愛らしい絵で、以前上野の美術館でオルセー美術館展を見た時に、娘がこれをすさまじく気にいってたんだよな。絵ハガキがあったので娘への土産に購入。

ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち

 森アーツセンターギャラリー。

 肖像画や宗教画の前はそそくさと通り過ぎ^^; 風景画のもとへ。
 沢山のモネの絵、光がいっぱいの絵を堪能。

 ライスダールの「森林の眺め」も良かった。風の音が聞こえてくるような風景。
 そしてゴッホの「オーヴェールの家々」。やはりゴッホならではの不思議な青。

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2009年10月12日 (月)

「ベルギー幻想美術館展」感想

 BUNKAMURAまで「ベルギー幻想美術館 クノップフからデルヴォー、マグリットまで」を見に行った。

 ルネ・マグリットがいっぱい。ポール・デルヴォーがいっぱい。
 クノップフはちょっとしかなかったけれど。

 ここまでマグリットづくめであるとは知らなかったこともあり、幸福感でくらくらしてしまった^^; いや、マグリット以外もいっぱいあったんだけど、私の関心方向はひたすらマグリットに向かっちゃって。

 一番好きでずっと見つめていたかったのは、展示目録にも絵ハガキにもなっていない「9月16日」そして「オールメイヤーの阿房宮」。エッチングで描かれた二つの小さな絵。

 「9月16日」
 マグリットの絵によくある、昼と夜の同居した不思議空間。夕闇のような暗い空を背に一本の樹が立つ。そして、その樹にこんもり丸く茂る葉の中に、下弦の三日月が真昼の月として浮かび上がっている世界。

 「オールメイヤーの阿房宮」
 コンラッドの小説のために描かれた絵とのこと。朽ちた塔。根をはやしたその塔が、ピンク色の宙に浮かぶ。夕闇の前のようなピンクのようでもあり、昼の宙空をあらわすピンクのようでもあり、いつの時間帯なのかよくわからない微妙なピンク色。

 帰宅してから、過去に見たマグリット展の図録を眺めていたら、油彩で描かれたこの絵を見ていたらしいことを知る^^; うーん、残念、他に印象的な絵がありすぎたせいか、覚えてない。図録に掲載されている同じ絵の背景はピンク色ではなくオレンジ色なんだけど、実際の色はどうだったかしら。(図録のカラー印刷って赤の色が強く出過ぎることが多いから・・・・・・・・)

 そしてチラシで見て楽しみにしていたレオン・スピリアールトの「オステンドの灯台」。
 墨、色鉛筆、水彩で紙に描かれた絵。
 凍てついた海。寂寥感。

 今回の展示に関する販売物は充実していなかったので、展示があったわけではないマグリットの「心の琴線」と「ピレネーの城」の絵ハガキを買って帰宅。マグリットの美しく幻想的で不思議な世界の中に気持を没入させることの恍惚感にひたれた日だった。

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2008年11月20日 (木)

2008年に見た絵

 今年はもう美術展行き予定がないので、感想をまとめて。
 といっても、スケジュール帳を確認してみたら、二つしか行ってなかった。

 子供が小さい時は美術展行きは断念していたということを思えば、二つだけでも見に行けたなら上等なんですが(:_;)

○コロー

 8月、西洋美術館に、「コロー 光と追憶の変奏曲」を見に行く。
 キャンプに出かけていた娘を上野駅に迎えに行くついでの美術館行き。好みのタイプの絵なのに連れてってもらえなかった娘はむくれてます^^;

 美術館の中でいきなり肩を叩かれ、振り向いたら伯母がいたのでびっくり。劇場で知人・友人に会うことは多々あれども、美術館で知り合いにばったりというのははじめてだ。しかも、こんなに開催期間が長い展示で^^;

 コローの風景がは≪銀灰色の靄(もや)とやわらかい光≫と表現されるが、この靄の部分の色合いがとても好きだ。心がとても穏やかになる、静かな美しさ。

○ミレイ

 9月、ジョン・エヴァレット・ミレイ展をBUNKAMURAに見に行く。

 ここはいつも空いていて居心地がいい美術館なのに^^;オフィーリアが有名なためか、いつもよりも混んでいた。
 が。
 ラファエロ前派の一人として、という形での展示ではなくミレイのみを並べてみたら。 どうも私はミレイの絵が好みではないらしいと気づいた。
 感想メモに「美しい自然の色彩」「風の無い風景」「無表情の目」と書きなぐっている^^;
 ミレイの絵の美しいモデル達は、子どもも含め、何か死んだ目を画家に向けている。絵の中の人物がこちらに迫ってくる感じではなく、あくまでも描かれる女たちは画家の目を通した鑑賞物。そういった絵がずらりと並んでいるのが怖かったぞ。
 オフィーリアみたいに死んだ女であれば、そういった表情の無さは違和感にはならず、美しい死の中の美しい女として見ることができるのだけど。

〇雑記

 図書館への返却期限がきてしまってちょっと寂しいのが、ハイム・スーチンの画集。
 スーチンの絵には今まで興味を持ったことがなかったのだけど、10月に見た舞台がきっかけで借りてきたのだった。

 劇中で言及されていた牛の絵、あんまり好きじゃない^^;
 狂女の絵と、赤い服を着たボーイの絵は見たような記憶はあるけれど(本で見たのか本物を見たのかは不明^^;)、これまたあまり好きじゃなくて記憶が作者名と結びついていなかったようだ。

 とか考えながら頁をめくっていたら、突然目にとびこんできた気になる絵。

 「赤いグラジオラス」

 これは機会があったら本物を見に行きたいな。血のような赤、炎のような赤。ゴッホのひまわりを連想させる不気味さ。実際の絵はどんな力を持つどんな絵なんだろう。

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